これからゲームプログラマとして仕事を始める人に 6 年目くらいの人が教えるべきこと
1. これは何か
Updated at: 2015-08-16
この本のゴール
これはゲームプログラマである 28 歳の僕が、平行世界における 22 歳の自分へ向けて書いた文書だ。 この本の目的は、これからゲームプログラマとして仕事を始める人に、 勉強の仕方のガイドラインを示す ことだ。 各分野の詳細は、すでに世の中にある優れた書籍や文献に譲ることにする。 勉強すべき事柄を俯瞰したいときに、この小さな本が役に立てば嬉しい。
誰のための本か
この本の対象読者は、これからゲーム開発を本気で仕事にしようとしている若者たちだ。 例えば、以下のような人だ:
- ゲームプログラマの職について 1 〜 2 年目
- ゲーム会社への内定が決まっていて、次の春から働き始める
- 就職を視野に入れてゲーム会社のインターンなどに参加している
君がこれに当てはまる人ならば、君はきっと ゲーム開発についてもっと勉強したい と願っていることだろう。 だが往々にして経験が浅いうちは、学ぶべきことの全体像が見えず、 何から勉強したらよいかが分からなくて困ることがあるものだ。 この本はそんな君を助ける。プロとして真っ当な知識を得るために、 どんな文献や技術分野を当たったらよいかを示そう。
この本がやること
この本は言わば、先輩エンジニアが新卒に最初にしてあげるアドバイスのようなものだ。 よく言われる汎用的な教訓や、どんな技術があるかをざっと紹介し、 より詳しく知りたければこんな本や資料があるよ、といったリファレンスを教える。 勉強のためのインデックスを張る のを助けるツールだと思ってくれればいい。
ただしアドバイスをしてくれるのは、あくまでも「ちょっと先輩のエンジニア」だ。 僕は特定の分野のエキスパートでもなければ、全てを知る賢者でもないことを白状しておこう。 勉強中の身であるのはお互い様だ。共に学んでいこうじゃないか。
この本がやらないこと
逆に、各トピックについて詳細に説明したり、パターンを網羅したりするようなことはしない。 そういうのは、それぞれの分野の先人達が優れた本や記事を残してくれているので、そちらの恩恵にあずかろう。
また、この本は読者に、プログラミングや計算機科学の基礎知識があることを前提にしている。 このあたりのゼロからの入門を手助けするのは、僕には少々荷が重い。 勝手ながら、入門は終わらせている人を対象とすることを許してほしい。