Updated at: 2014-02-22

ゲームデザイン

本読んだまとめ

マジックの人のゲームデザインの記事

項目 英語 補足
1. 目標 A Goal or Goals 1 つでも複数でも。プレイヤーに自由度は必要だが、
目標は明確でなければならない
2. ルール Rules プレイヤーができること、できないことの一覧
3. 相互作用 Interaction ゲームシステム、または他のプレイヤーとのやりとり
4. 逆転要素 A Catch-Up Feature (勝ち目が無いと思ったらプレイヤーは興味を失う)
5. 勢い Inertia 終局に向かう性質、盛り上がり
6. 驚き Surprise プレイヤーが予想できない要素。プレイの深み
7. 戦略 Strategy (経験を積んだプレイヤーはよりうまくプレイできるようにする)
8. 楽しみ Fun 楽しませる要素(これは多種多様で主観的)
9. フレーバー Flavor メカニズム外の、イメージや表現
10. ヒキ A Hook 市場に対するウリ。プレイしたいと思わせる何か
  • ルール

本質的に、ゲームをプレイすることとは、障害を乗り越えることである。 プレイヤーは目標を達成しようとし、ゲームは(そのシステム自体か、あるいは他のプレイヤーを通してかはともかく)それを妨害しようとする。 目標を達成することが楽しいのは、そこに困難な障害があるからである。

  • 勢い

巧く作られたゲームは、プレイヤーが飽きる前に終わるようになっている。そのためにはどうすればいいか? ゲームに、終わりに向かう性質を持たせればいいのだ。

  • 驚き

プレイヤーが一目で局面を把握して最善手を選べるようであれば、そのゲームはすぐに飽きられてしまう。

  • フレーバー

フレイバーはこの参入障壁を減らしてくれる。 フレイバーがなければ無作為なものにしか思えないルールを説明する助けになってくれるのだ。

  • ヒキ

このカテゴリーは、ゲームを作ると言うことは芸術などではない ということを意味している。 ただゲームを作るだけでは意味はなく、それを売り込めなければならないのだ。 そのために、ゲーム・デザイナーにはもう一つ憂慮すべき事が存在する。ゲームには、ウリになるものが欲しいのだ。

ゲームシステムと世界観

  • ドロッセルマイヤーズがした定義
    • ゲームとは、ルールによって面白さが生まれている遊びすべてを指す

  • 重要なのは、ルールがあるか・ないかではない
  • ルールの中で、正解を求めるための方法がある
    • 「それが面白くないなら作業であり、面白いならゲームだ」

  • 思考ゲームを作るときの3つの原則
    1. プレイに正解がない
    2. ベターなやり方はある
    3. それを思いついたり(創意工夫)、試したり(仮説検証)できる

正解の存在とゲームの分類

  • ここで言う「正解」とは、ルールの中で与えられたプレイヤーの「ベストな振る舞い」を指す
構造 分類 楽しみ方
正解がある、内容が明らか、実行も容易 儀式的な遊び 決められたプロセスを楽しむ いないいないばあ、福笑い
正解があるが、隠されている パズル、クイズ、なぞなぞ 隠された正解を探すことを楽しむ 倉庫番
正解はあるが、実行は困難 アクションゲーム、スポーツ 実行の精度や練度の上達を楽しむ マリオ
正解は(現実的に)ないが、ベターなやり方がある 思考ゲーム やり方の創意工夫や仮説検証を楽しむ チェス
正解はなく、ベターなやり方もない ギャンブル 操作不能な運命を楽しむ ルーレット

ゲームデザインのツール

  • ジレンマ
    • リソースマネジメント(ベストな配分は現実的には算出できない)
    • バースト(とりすぎるとペナルティになる)

  • マルチプレイヤー
    • (プレイの中で「正解」が移ろう)
    • (プレイヤーは人間の行動意図を予測・想像することで戦略が練れる)
      • ブラフ
      • 間接情報(伝聞、ジェスチャーなど)
      • 交渉
      • 競り

  • ステージ
    • (プレイのたびにマップが変わる)
    • (最初の手札が毎回違う)
      • トリックテイキング
      • カードドラフト

  • ランダム性
    • ダイスロール
    • カードデッキ
    • 手札

  • アクション性
    • バランス(ジェンガなど)
    • 早取り / 早出し(スピードなど)
    • 投てき(輪投げやダーツ)

ゲームデザインのコツ

  • 面白くなるときに最大得点できるようなルールにする
    • クイズの出題者と解答者にとって、簡単すぎる問題も難しすぎる問題もつまらない
    • 「ギリギリ解けるか解けないか」という問題を出したときに出題者が最大得点を得るようにする

  • ノーヒント問題
    • 「実際には有効な戦略があるが、プレイヤーがそれを判断する根拠がない」状況
    • 原則の中の「創意工夫、仮説検証できる」を満たしていないので、面白くならない

ゲームと世界観

  • 世界観とは
    • 「その世界の秩序」
    • そのゲーム世界において「何が良いことで、何が悪いことなのかという価値観」
    • RPG などにおける世界設定とは違う
      • オセロなどにも「白と黒は表裏一体」みたいな世界観がある
    • 世界観 = 憲法
    • ゲームシステム = 法律

  • コンセプトを最後まで一貫させることが大事
    • デザイン時に煮詰まってくるとここが崩れやすい
    • 例えばマリオに「素晴らしいパズルゲーム」が混ざったりしたら (アスレチックの面白さとしての)一貫性がなくなる

すでに存在している人間の欲望を満たす

  • テトリス
    • 散らばったものを、うまく整理したい
  • 電車で GO!
    • 電車を運転してみたい

「ゲーム性」

  • ゲームの面白さ = ルールの面白さ
    • 映画は映像のメディア、ラジオはサウンドのメディア、ゲームはルールのメディア

【引用】
いえ、ルールによる制限があるからこそ面白いんです。 法律だってやりようによっては、縛られているという感覚ではなく、より生活を楽しくできるものだと思いますね。

逆にユーザーに自由を与え過ぎてしまうと、選択肢が無限になり、何をしていいのか判断に困りますよね。 ルールという制限・制約が現れることで、選択肢が絞られ、逆に想像力を働かせることができるようになります。

例えば俳句には5・7・5という区切りのルールがあります。 もし俳句にこの決めごとがなかったら、もはやそれは俳句じゃない。 制限があるからこそ、その中で人は懸命に知恵を絞り、想像を働かせ、言葉を紡いでいけるんです。 結果、アウトプットにもリズムが生まれます。

  • リスクとリターンの配分で、ゲームの面白さが決まる

【引用】
鬼ごっこやかくれんぼの場合、地方によってルールが異なっていたり、 派生して「色オニ」などの新しいゲームが生まれましたが、缶けりにはそれがありません。 ルールに手を加えられない、加えることでゲームの面白みが崩れてしまう。完璧なルールを持ち得ていると思います。

かつ、缶ひとつとプレイヤーがいるだけで、そこに物語が生まれる極めてシンプルなルールです。 ほとんどの人はそのルールを疑いません。面白いゲームはルールを全く意識させないんです。 最高のルールとは、自然とその場の空気を作り、楽しくさせるものだと言えるかもしれませんね。

ゲームの企画書

  • ダメな例
    • ギミックを起点に考え始めてしまう(ゲームシステム → 肉付け)
      • コンセプトが無いので、自分自身がやりたかったことを見失う
      • 君の一番やりたいことは何なの? 状態になる

  • イケてる例
    • どういう人、場所、空間を作り出すかを考える
    • → それを実現するパズルのピースをチョイスする
    • 「実現したい社会現象」 がゴールにある
      • どういう社会現象が起こると考えられるか?
      • どういうムーブメントを発生させたいか?
      • → 負けないコンセプト(野望)

  • コンセプト例
    • 「おじいちゃんと孫が一緒に遊ぶビデオゲームを作り出す」
    • 「運動オンチな自分でも、“カッコいい自分”になれる遊びを作り出す」
  • ゴールだけが決まっている状態
    • アプローチは自由になる
  • 「ターゲットユーザの定義」と似てる
    • お客様の顔が浮かぶ

  • 個々の要素を「自分がそうしたいから」で紐づけるのではない
  • 「コンセプトを実現する最短手法」を必然性でつないでいく

  • コンセプトメイク
    • → 文字だけで未来を予告
  • ブレスト
    • → 人を集めて選択肢を集める
  • パッケージング
    • → マッチするピースを選ぶ

企画書の絵もまずは文字と枠だけでいい